ゲームエンジンってどんなのがあるの?
個人ゲーム開発に使える?有料、無料は?
プログラミング知識は必要?
メリットとデメリットを比較したい!
こんなお悩みを解決します。
この記事の内容
- 個人利用可のゲームエンジン5選
- Unity, UnrealEngine, GameMaker, Godot Engine, Cocos2d-x の特徴を解説
- おすすめゲームエンジン
現在主要なゲームエンジンを調べてまとめてみました。
書いた人は、ゲーム開発歴4年のUnityユーザーですが、
最近Godot Engineに変えようかと思っています。
この記事は、「個人ゲーム開発で使える現在主要なゲームエンジンはどんなのがあるんだろう?」と思った私が、調べてまとめた記事になります。
現在人気のゲームエンジンを5選ご紹介します。
あなたのゲーム開発に最適なゲームエンジンを見つけて、快適に楽しくゲーム開発をするきっかけになれば幸いです。
なお、「RPGツクール」などの「ゲーム開発ツール」について知りたい方はこちら!
個人で使える主要ゲームエンジン一覧
まずは一覧表でご紹介します。
参考価格は個人、小規模開発者向けのプランです。
Unity | UnrealEngine | Godot Engine | GameMaker | Cocos2d-x | |
---|---|---|---|---|---|
プラットフォーム | iOS, Android, Windows, Mac, Linux, WebGL, PS4, PS5, Xbox, NintendoSwitch ,VR, AR 等 | iOS, Android, Windows, Mac, Linux, WebGL, PS4, PS5, Xbox, NintendoSwitch ,VR, AR 等 | iOS, Android, Windows, Mac, Linux, HTML5,VR,AR, (PS4, PS5, Xbox, NintendoSwitch (代理店へ依頼必要)) 等 | iOS, Android, Windows, Mac, Linux, HTML5, PS4, PS5, Xbox, NintendoSwitch | iOS, Android, Windows, Mac, Linux 等 |
参考価格 | 無料(年間10万ドル規模まで) | 無料(総収益100万ドル規模まで) | 無料 | ライセンス(FREE/INDIE/ENTERPRISE)による | 無料 |
2D/3D | 3D, 2D | 3D, 2D | 2D, 3D | 2D (一部3D機能もあり) | 2D |
必要PCスペック | 中 | 高 | 低 | 低 | 低 |
プログラミング知識 | 要(無くても可) | 要(無くても可) | 要 | 基本不要 | 要 |
言語 | C# | C++ | GDScript (独自言語), C, C# 等 | GML (独自言語) | C++ (JavaScript版あり) |
難易度 | 中 | 中 | 中 | 低 | 高 |
情報の多さ | 多い | 普通 | やや少ない | 少ない(日本語)/ 多い(英語) | 少ない |
代表ゲーム | ポケモンGO, 原神, どうぶつの森ポケットキャンプ, Among Us 等 | FINAL FANTASY Ⅶ REMAKE, ドラゴンクエストⅪ, FORTNITE 等 | うさぎしま, Brotato, Cassette Beasts, Ex Zodiac 等 | Undertale, Hyper Light Drifter, VA-11 Hall-A 等 | モンスターストライク, LINE : ディズニーツムツム 等 |
公式リンク | https://unity.com/ja | https://www.unrealengine.com/ja | https://godotengine.org(公式サイト), https://docs.godotengine.org/ja/stable/index.html#(日本語ドキュメント) | https://www.yoyogames.com/en/gamemaker | https://www.cocos.com/en/cocos2dx |
では、それぞれのゲームエンジンの特徴をみていきましょう!
各ゲームエンジンの特徴
Unity
メリット
エディタが軽い
現状一番人気なのがUnityです。何でも作れて多くのプラットフォームに対応している上、小規模開発者にとって魅了的なのが軽さです。
あまりに古かったり、低性能のPCだと厳しいですが、10万円前後のノートPCでも大抵動きます。
3DゲームもノートPCで開発することができます。
学習しやすい
さらにUnityで魅力的なのは、学習のしやすさです。
現在出回っている書籍、Web上の情報ではUnityが一番多いです。
さらに、Unityの言語はC#ですが、後述するUnreal Engineの言語C++と比べて比較的容易で学びやすいと言われています。
プログラミングが苦手な方には、「ノード」という命令のかたまりを繋いでゲームの動きを作る「ビジュアルスクリプティング」(無料)も用意されています。
Unityおすすめ書籍
デメリット
ビジュアルスクリプティングの情報が比較的少ない
ビジュアルスクリプティングは元々Unityのアセットストアで販売されていたBoltという有料ツールで、2020年にUnityに組み込まれ無償となったツールです。
プログラミングなしでゲームを作れるのは魅力的ですが、C#でプログラミングをしてゲームを作るチュートリアルや解説の方が圧倒的に多いです。
ただ、当初は少なかったものの、最近ではビジュアルスクリプティングの公式チュートリアルや書籍、Web上の解説も充実してきていますので、困ることは少ないかもしれません。
Unityまとめ
Unreal Engine
メリット
美しいグラフィック
公式サイトを見ていただけるとわかりますが、非常に美しいグラフィックを表現することができます。
例えば「FINAL FANTASYⅦ REMAKE」に採用されていますが、個人でもこんなに綺麗なグラフィックのゲームエンジンが使えるなんてすごいですよね。
ビジュアルスクリプティングツール「ブループリント」
Unreal Engine にはUnityよりも古くからビジュアルスクリプティングツールである「ブループリント」が標準搭載されています。
ビジュアルスクリプティングがユーザー間に浸透しているため、Unityよりもビジュアルスクリプティングだけでゲームを作る面ではアドバンテージと言えるでしょう。
テンプレート
Unreal Engineには「テンプレート」というゲームの基礎部分ができているものが用意されていて、例えばFPS/TPS, パズル, アクション, カーレース, VRなどのゲームを、テンプレートから作り始めることができます。
デメリット
エディタの重さ
Unreal Engine では、美しいグラフィックを表現できる一方、高いPC性能が求められます。
目安としては15万円以上のものが必要でしょう。必要スペックの参考リンクを貼っておきます。
ただ個人開発規模では低めのスペックで足りる可能性もあるので、気になる方はご自分のPCで上記のテンプレートを動かしてみて確認するのも良いかと思います。
C++は難易度高め
Unity の項で書きましたが、Unreal Engine で使える言語C++はプログラミング初学者には習得が難しめの言語と言われています。
初心者のうちはほぼブループリントで作ることになると思うので、初めは気にする必要はないと思いますが、自分でスクリプトを書く必要が出てきた時に少し大変な可能性があります。
Unreal Engineまとめ
Godot
メリット
世界で人気上昇中のゲームエンジン
Godotは最近の国際ゲームジャムでUnityに続き2番目に使われている人気上昇中のゲームエンジンです(例:GMTK jam2021, 2022)。
商業ゲームでGodotが採用される例も出てきています。
完全無料
Godot はオープンソースのエンジンで、最初から最後まで完全無料です。
軽量・高速
インストール時25MB、ビルドツール容量約70MB前後と非常に軽量です。
さらに起動時間も5秒前後と非常に早く、サクサクと快適にゲームが作れます。
初期設定がほぼ不要
UnityやUnreal Engineが初期設定に多少手間がかかるのに比べ、Godotは実行ファイルをダウンロードして実行するだけですぐにゲーム開発を始めることが可能です。
さまざまな言語が使える
使える言語はPythonに似た簡単な独自言語GDScript のほかC# も選ぶことができます。さらに、
GDNativeを使用すると、エンジンを再コンパイルすることなく、C、C++、Rust、またはPython(Cythonコンパイラを使用)などのコンパイル済み言語を使用して高性能コードを作成できます。
Godot公式サイト “Godotの設計哲学” より
ということで、すでに慣れ親しんでいる言語がある方にとってもメリットだと思います。
ビジュアルスクリプトもありましたが、v4.0からは廃止となりました。
デメリット
まだ情報と作られたゲームが少ない
Godotは比較的新しいゲームエンジンということもあり、日本語情報が少ないということがあげられます。
しかし、Godotの人気は上昇傾向にありますので、これから期待といったところでしょう。
日本語情報に関しては、Unityなどと比べると少なめですが、公式サイトの日本語ドキュメントが充実しているほか、書籍が数冊出ており、Web上の情報も増えてきています。
参考リンク
Godotのわかりやすい紹介と開発に役立つリンクを掲載されている方がいらっしゃるのでリンクを載せておきます。
Godotまとめ
GameMaker
メリット
プログラミングができなくてもいい
GameMaker はドラッグ&ドロップでゲームを作ることができ、UnityやUnreal Engineのビジュアルスクリプティングよりも直感的にゲームを作ることができます。
また、もっとこだわりたい場合はわかりやすい独自言語「GML」を使ってより高度な機能を実装することが可能です。
エディタがとても軽い
主に2Dのエンジンということもあり、Unityよりもさらにエディタが軽いです。
最低要件ではWindows7, メモリ2GBで動きます。
海外で人気
日本ではあまり知名度の高くないGameMakerですが、海外ではかなり人気があります。
特にインディーゲームでGameMakerが使われることが多く、アクションやシューティングゲームを中心に、会話のあるゲームも作られ「Undertale」もGameMakerで作られています。
英語の情報はたくさんあるので、英語が得意な方にはおすすめのエンジンです。
デメリット
日本語の情報は少ない
デメリットとしては現状日本語の情報が少ないことです。
日本語ではまとめwikiや、個人でチュートリアルや解説本を書いている方がいらっしゃるようです。
参考リンク
おすすめ学習サイトをまとめてくださっている方がいましたのでリンクを貼っておきます。
GameMakerまとめ
Cocos2d-x
メリット
完全無料で軽量かつ速い
Cocos2d-xもオープンソースの完全無料エンジンです。
さらに、エンジンのサイズは3MB程度で必要PCスペックも低く、動作も軽快で、ゲームアプリのサイズも小さく作れる利点があります。
有名ゲームの開発に使われてきた
Cocos2d-x製のゲームには「モンスターストライク」「LINE:ディズニー ツムツム」などの有名ゲーム(特にアプリ)が多数あります。
デメリット
かつて人気だったゲームエンジン
残念ながら、Cocos2d-xはユーザー数の減少傾向にあり、主にUnityなどに流れて行っているようです。
理由としては、公式のメジャーアップデートや機能追加が行われなくなってきていること、長所である完成ゲームの軽量さが、近年の端末性能やネット回線の改善で薄くなっていることなどがあります。
特にUnityやUnreal Engineに2Dゲーム開発機能が追加されてからは、これらのエンジンより上回る利点が少なく、ユーザーの流出に繋がっているようです。
したがって、新しい情報や書籍もあまり多くはありません。
開発元からは新しく「Cocos Creator」という統合開発ツールが出ていますが、こちらも情報は少なく、初心者が始めるには敷居が高いように感じます。
Cocos2d-xまとめ
まとめ
ちなみに「情報の多さ」ですが参考として、大きめの書店だと、Unityの本が棚一列分だとすると、Unreal Engineの本は1/4棚、Cocos2d-xとGodotはさらにその1/3ほど、GameMakerの本はあまり見かけないといった感じです。(※私のよく行く書店の場合)
今のところUnityの情報が一番多く、人気的にはUnityかUnreal Engineの2択といった感じです。
今後変わってくる可能性はありますが、今のところ初学者が一番学習しやすいのはUnityだと思いますが、作りたいゲームがはっきりしていて、目的がある場合はそれに合わせたエンジンがいいのではと思います。
主要ゲームエンジンは基本無料のものが多いので、
迷ったら使ってみるのもいいと思いますよ!
以上、個人で使える主要ゲームエンジンまとめでした。
もしご指摘やもっと有名なゲームエンジンあるよ!などありましたら、お問合せフォームから情報をお寄せいただけると嬉しいです。
ゲームエンジンよりも比較的難易度が低く、簡単にゲームが作れる「ゲーム制作ツール」についてはこちらからどうぞ。
ゲームエンジンとゲーム制作ツール、どっちがいいの?という方にはこちら!
>>ゲームエンジンとゲーム制作ツール、どっちを使うのがおすすめ?
ちなみに、Unityでのゲーム開発に興味がある方は、下記の記事から筆者が経験0からUnityを使って1年間ゲームを作ってみた記事を読むことができますよ。
それではまた!